WordPress Logo WordPress Create Block Theme プラグイン

Create Block Theme プラグインは、WordPress エディターを使ってブロックテーマを作成するためのツールです。Create Block Theme はサイトエディターと連携して動作し、WordPress ダッシュボードから直接ブロックテーマを作成および編集できるようにします。

例えば、テーマに変更を加えて「保存」をクリックした場合、デフォルトでは、これらの変更はデータベースに保存され、テーマファイルには統合されませんが、Create Block Theme プラグインを使って簡単に変更をテーマファイルに統合することができます。

また、アクティブなテーマを zip ファイルとしてエクスポートしたり、新しい空のテーマの作成や既存のテーマの複製、子テーマの作成が簡単に行えます。

以下は Create Block Theme プラグインの基本的な使い方についての覚書です。以下で使用している Create Block Theme のバージョンは 2.5、WordPress のバージョンは 6.6.2 です。

更新日:2024年10月20日

作成日:2024年10月12日

関連ページ

はじめに

Create Block Theme プラグインは、WordPress.org コミュニティによって開発されたブロックテーマを作成するためのツールです。

このプラグインは開発専用であり、本番 Web サイトでの使用は意図されていないので注意が必要です。

Create Block Theme プラグインは通常のプラグインと同じように、管理画面の「プラグイン」→「新規プラグインを追加」からインストールできます。

Create Block Theme プラグインをインストールして有効化すると、管理画面の「外観」→「ブロックテーマを作成」で Create Block Theme プラグインの画面にアクセスできます。

以下はデフォルトテーマ Twenty Twenty-Four が有効化されている(アクティブな)場合の例です。

「新しい空のテーマを作成する」以外のオプションは、現在有効なテーマに関連付けられたものになっています("Twenty Twenty-Four" の部分は現在有効化されているテーマ名)。

また、Create Block Theme プラグインをインストールして有効化すると、サイトエディターの編集画面の「保存」ボタンの右側に アイコンが表示されます。

アイコンをクリックすると、Create Block Theme プラグインのオプションを表示することができ、テーマへの変更の保存などができます。

Create Block Theme プラグインでできること

Create Block Theme プラグインをインストールして有効化すると、以下のことができます。

  • 空テーマを作成
  • 現在アクティブなテーマに基づいて新しいテーマを作成
  • アクティブな親テーマの子テーマを作成
  • 新しいスタイルバリエーションを作成
  • テーマをエクスポート
  • ユーザーが変更したテンプレートとスタイルをアクティブなテーマに保存

新しい空のテーマの作成

Create Block Theme プラグインを使って、ブロックテーマの雛形(空のブロックテーマ)を簡単に作成することができます。

管理画面の「外観」→「ブロックテーマを作成」で Create Block Theme の画面にアクセスして、「新しい空のテーマを作成する」をクリックします。

以下のようなモーダルが表示されるので、必須項目の「テーマ名」を入力して、「空のテーマの作成と有効化」をクリックします。

「テーマ名」以外の「テーマの説明」や「作成者」などの項目は、「テーマのメタデータの編集」オプションから後で編集することもできます。

以下がポップアップ表示されたら「OK」をクリックします。

サイトエディターが開いてインデックスのテンプレートが表示されます。このままテンプレートを編集することもできますし、左上のサイトアイコンをクリックしてナビがーションに移動することもできます。

VS Code などのコードエディターで確認すると、theme フォルダー内に作成した空のブロックテーマが生成されているのが確認できます。

この例では、テーマ名を「My Block Theme」としたので、「my-block-theme」というテーマフォルダが作成され、その中にブロックテーマで必要なフォルダとファイルが生成されています。

 📁 my-block-theme
 ├──📁 parts
 │   ├── footer.html
 │   └── header.html
 ├── readme.txt
 ├── screenshot.png
 ├── style.css
 ├──📁 templates
 │   └── index.html
 └── theme.json

ブロックテーマに必須の style.css と index.html やテーマの設定ファイル theme.json、2つのテンプレートパーツ(footer.html と header.html)などがあります。

以下は生成された style.css と theme.json の例です。

/*
Theme Name: My Block Theme
Theme URI:
Author:
Author URI:
Description:
Requires at least: 6.6
Tested up to: 6.6
Requires PHP: 5.7
Version:
License: GNU General Public License v2 or later
License URI: http://www.gnu.org/licenses/gpl-2.0.html
Text Domain: my-block-theme
Tags:
*/

この時点での theme.json のスキーマのバージョンは3になっています。

{
  "$schema": "https://schemas.wp.org/wp/6.6/theme.json",
  "settings": {
    "appearanceTools": true,
    "layout": {
      "contentSize": "620px",
      "wideSize": "1000px"
    },
    "spacing": {
      "units": [ "%", "px", "em", "rem", "vh", "vw" ]
    },
    "typography": {
      "fontFamilies": [
        {
          "fontFamily": "-apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Roboto, Oxygen-Sans, Ubuntu, Cantarell, 'Helvetica Neue', sans-serif",
          "name": "System Font",
          "slug": "system-font"
        }
      ]
    },
    "useRootPaddingAwareAlignments": true
  },
  "templateParts": [
    {
      "area": "header",
      "name": "header"
    },
    {
      "area": "footer",
      "name": "footer"
    }
  ],
  "version": 3
}

外部のエディターを使用しなくても、管理画面の「ツール」→「テーマファイルエディター」でもファイルの内容を確認することができます。

変更をテーマファイルに保存

Create Block Theme プラグインを使用すると、変更をテーマファイルに直接保存することができます。

テンプレートやテンプレートパーツに変更を加えて「保存」をクリックしたり、グローバルスタイルに変更を加えて「保存」をクリックすると、それらの変更はデータベースに保存されます。

テーマのファイルに反映させるには、それらの変更をテーマファイルにコピーする必要がありますが、Create Block Theme プラグインを使用すると、それらの変更を現在有効化されているテーマのファイルに直接保存する(書き出す)ことができます。

変更をテンプレートファイルに保存

例えば、以下はインデックステンプレートに変更を加えて「保存」をクリックした例ですが、この変更はデータベースに保存されます。

変更をテーマファイルに保存するには、「保存」ボタンの右にある アイコンをクリックして、Create Block Theme のオプションを表示して「テーマへの変更の保存」をクリックします。

以下のような保存のオプションが表示されるので「変更内容を保存」をクリックします。

デフォルトのままで大丈夫ですが、この場合、テンプレートの変更を保存するので、「テンプレートの変更を保存」にチェックが入っている必要があります。必要に応じてオプションを選択することができます。

以下がポップアップ表示されるので、「OK」をクリックすると、エディターがリロードされます。

これにより、テンプレートに加えた変更がテーマのファイルに反映されます。

また、この操作により変更をテーマに反映すると、データベースに保存されたものはクリアされます

テーマのテンプレートファイル(この例の場合は index.html)を見ると、変更が反映されているのが確認できます。

変更を theme.json に保存

グローバルスタイルに加えた変更を theme.json に保存することができます。

以下はパレットにカスタムカラーを追加して「保存」をクリックする例です。

グローバルスタイルを保存するかの確認が表示されるので、「保存」をクリックします。

以下のように「サイトを更新しました」と表示されます。但し、この場合も変更はデータベースに保存されます(テーマの theme.json ファイルには反映されません)。

テンプレートの場合と同様、変更をテーマファイルに保存するには、「保存」ボタンの右にある アイコンをクリックして、「テーマへの変更の保存」をクリックします。

以下のような保存のオプションが表示されるので「変更内容を保存」をクリックします。この場合、スタイルの変更を保存するので「スタイル変更を保存」にチェックが入っている必要があります。

以下がポップアップ表示されるので、「OK」をクリックすると、エディターがリロードされます。

これにより、スタイルに加えた変更がテーマのファイル(theme.json)に反映されます。

前述の例同様、変更をテーマに反映すると、データベースに保存されたものはクリアされます。

スタイルタブを確認すると、カスタムカラーとして登録した色がテーマカラーとして登録されている(テーマに反映されている)のが確認できます。

また、theme.json を確認すると、settings.color プロパティにカスタムカラーパレットが追加されているのが確認できます。

このように、Create Block Theme プラグインを使うと手動でファイルを更新する必要がなくなり、効率的に作業が行えます。

関連ページ:ブロックスタイル(バリエーション)の変更を theme.json に保存

テーマを Zip ファイルとしてエクスポート

管理画面の「外観」→「ブロックテーマを作成」の「Zip ファイルとしてエクスポートする」を選択するか、サイトエディターで アイコンをクリックして表示されるオプションから「Zip ファイルをエクスポート」を使うと、テーマを zip 形式でエクスポート(保存)することができます。

例えば、サイトエディターでテンプレートに変更を加え、「保存」をクリックして変更をデータベースに保存後、「Zip ファイルをエクスポート」をクリックすると、変更を反映させたテーマを zip 形式で保存することができます

以下のようなファイル保存のモーダルが開くので、任意の場所と名前でテーマのファイルを zip 形式で保存することができます。

※ 但し、「テーマへの変更の保存」とは異なり、エクスポートしただけでは、データベースに保存された変更はクリアされません。

エクスポートして保存した Zip ファイルは、管理画面の「外観」→「テーマ」→「新しいテーマを追加」で「テーマのアップロード」をクリックし、そのファイルを選択してインストールすることができます。

現在のテーマをもとにテーマを作成

アクティブなテーマを複製してオリジナルのテーマを作成したり、アクティブなテーマの子テーマを作成することも簡単にできます。

もとになるテーマを有効化してアクティブにし、「外観」→「ブロックテーマを作成」で、「xxxx の複製を作成する」や「xxxx の子テーマを作成する」をクリックするだけです。

または、サイトエディターで アイコンをクリックして表示されるオプションから「テーマを作成」をクリックしても複製や子テーマを作成できます。

以下はデフォルトテーマ Twenty Twenty-Four を有効化して、その子テーマを作成する例です。

以下のようなモーダルが表示されるので、必須項目の「テーマ名」を入力して、「子テーマの作成」をクリックします。

以下がポップアップ表示されたら「OK」をクリックします。

作成された子テーマが有効化され、サイトエディターが開きます。

例えば、以下のような子テーマが作成されます。

複製を作成した場合の theme.json

「Twenty Twenty-Four の複製を作成する」を選択して、Twenty Twenty-Four を複製して、theme.json を確認してみると、title や name が日本語に変換され、またスキーマのバージョンが3になっていました。

テーマのメタデータの編集

style.css のファイルヘッダーに記述されている、テーマの説明などのメタデータを編集したり、screenshot.png の画像を入れ替える(1200 x 900 にトリミングしてくれます)ことができます。

テーマのメタデータを編集するには、サイトエディターで アイコンをクリックして表示されるオプションから「テーマのメタデータを編集」をクリックします。

以下のモーダルが表示されるので必要な項目を編集します(テーマ名は変更できません)。

参考サイト

プラグインのページ:Create Block Theme

以下は参考にした WordPress のチュートリアル(ビデオ)のリンクです。