HTML5 の機能を検出する方法の個人的なメモ。
参考:「入門 HTML5(オライリー)」
目次
Modernizr は HTML5 と CSS3 の機能のサポートを検出してくれる JavaScript ライブラリ。(これを利用するのが一番簡単だと思う)
Modernizr は読み込まれると、Modernizr という名前の JavaScript オブジェクトを作成し、そのプロパティにテストの検出結果(true/false)を格納するので、それを利用する。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>HTML5 Test</title>
<!-- Modernizr の読み込み -->
<script src="js/modernizr.custom.46727.js" type="text/javascript"></script>
</head>
<body>
<script>
if(Modernizr.canvas){
//Canvas API がサポートされている場合の処理(描画の処理)
}else{
//そうでない場合の処理
}
</script>
</body>
</html>
関連ページ:「ブラウザの HTML5, CSS3 の機能を検出してくれる Modernizr」
個々の機能を検出するには以下のような方法がある。
ブラウザが Canvas API をサポートしているかどうかは、基本的な検出方法の2番目の方法(要素を作成しその要素に特定のプロパティがあるかどうかをチェック。)を利用。
以下の関数を使って Canvas API がサポートされているかどうかをチェックできる(サポートされていれば true が返る)。
<script>
function is_canvas_supported() {
return !!document.createElement('canvas').getContext;
}
</script>
“undefined” や object が返る可能性がある値を二重否定を行うことで真偽値(Boolean)として取得するイディオムのようなもの。
getContext() メソッドが存在しない場合、document.createElement(‘canvas’).getContext は未定義(undefined)と評価されるが、未定義は JavaScript では「偽」の値になるので、この値の前に否定を 1 つ置くと真と評価され、二重否定は偽と評価される。
var foo = undefined;
console.log(foo); //undefined
console.log(!foo); //true
console.log(!!foo); //false
var bar = {};
console.log(bar); // Object {}
console.log(!bar); //false
console.log(!!bar); //true
ブラウザが Canvas API をサポートしていても、Canvas Text API をサポートしているとは限らないとのこと。
Canvas API のサポートをチェックするには2番目の方法(要素を作成しその要素に特定のプロパティがあるかどうかをチェック。)を利用。
次の関数を使って Canvas Text API のサポートをチェックできる。
function is_canvas_text_supported() {
if(!is_canvas_supported()) { return false; } //前述の関数を利用
var context = document.createElement('canvas').getContext('2d');
return typeof context.fillText == 'function';
}
Modernizr を使えば以下のようにして、Canvas Text API のサポートをチェックできる。
if(Modernizr.canvastext) {
//Canvas Text API がサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
HTML5 ではビデオを埋め込むための <video> という要素が定義されている。
HTML5 をサポートしていないブラウザは <video> を完全に無視するので、これを利用してプラグインなどを使ってビデオを再生(フォールバック)することができる。
ビデオのサポートをチェックするには2番目の方法(要素を作成しその要素に特定のプロパティがあるかどうかをチェック。)を利用。
ブラウザが HTML5 ビデオをサポートしていれば、<video> として作成された DOM オブジェクトは canPlayType() メソッドを持っているので次の関数を使ってビデオのサポートをチェックできる。
function is_video_supported() {
return !!document.createElement('video').canPlayType;
}
Modernizr を使えば以下のようにして、HTML5 ビデオのサポートをチェックできる。
if(Modernizr.video) {
//HTML5 ビデオがサポートされている場合の処理(ビデオ再生)
}else{
//そうでない場合の処理(QuickTime か Flash が代わりに使えるかをチェックする等)
}
ビデオフォーマットのサポートをチェックするには、3番目の検出方法(要素を作成しその要素に特定のメソッドがあるかどうかをチェックし、そのメソッドを呼び出して戻り値をチェック)を使う。
戻り値は真偽値ではなく以下の文字列を返す。
以下は、MPEG4コンテナ中の H.264 ベースラインプロファイルのビデオと AAC LC オーディオ再生が可能かをチェックする関数。
function is_h264_baseline_video_supported() {
if(!is_video_supported()) {return false; } //前述の関数を利用
var v = document.createElement('video');
return v.canPlayType('video/mp4; codecs="avc1.42E01E, mp4a.40.2"');
}
以下は、Ogg コンテナ中の Theora ビデオと Vorbis オーディオを再生できるかチェックする関数。
function is_ogg_theora_video_supported() {
if(!is_video_supported()) {return false; }
var v = document.createElement('video');
return v.canPlayType('video/ogg; codecs="theora, vorbis"');
}
以下は、オープン WebM ビデオのサポートを検出する関数。
function is_webm_video_supported() {
if(!is_video_supported()) {return false; }
var v = document.createElement('video');
return v.canPlayType('video/webm; codecs="vp8, vorbis"');
}
以下は、Modernizr を使ったビデオフォーマットのサポートの検出。
if(Modernizr.video) {
if(Modernizr.video.webm){
//webm
}else if(Modernizr.video.ogg) {
//ogg
}else if(Modernizr.video.h264) {
//h264
}
}else{
//HTML5 ビデオがサポートされていない場合
}
ローカルストレージはクッキーに代わるデータ保存の仕組みのようなもので、Web アプリケーション利用者のブラウザ(PC)内にデータを保存するストレージ。
ローカルストレージのサポートをチェックするには1番目の検出方法(グローバルオブジェクトに特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を使う。
ブラウザがローカルストレージをサポートしていれば、window オブジェクトに localStorage プロパティが存在し、サポートしていなければ localStorage プロパティは未定義になる。
次の関数を使ってローカルストレージのサポートをチェックできる。
function is_localStorage_supported() {
try {
return ('localStorage' in window) && window['localStorage'] !== null;
}catch(e){
return false;
}
}
未対応なブラウザでは localStorage と記述するとエラーがが返ってしまうので例外処理を行っているみたい。(他は大丈夫なのか?)
以下は、Modernizr を使ったローカルストレージのサポートの検出。
if(Modernizr.localstorage) {
//ローカルストレージがサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
※ Modernizr の属性は「localstorage」で全て小文字だが、DOM のプロパティは「localStorage」と S が大文字。
Web Worker を利用することで、JavaScript コードの処理を並行して実行できる。
Web Worker のサポートをチェックするには1番目の検出方法(グローバルオブジェクトに特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を使う。
ブラウザが Web Worker をサポートしていれば、window オブジェクトに Worker プロパティが存在し、サポートしていなければ Worker プロパティは未定義になる。
次の関数を使って Web Worker のサポートをチェックできる。
function is_webWorker_supported() {
return !!window.Worker; //Worker の W は大文字
}
以下は、Modernizr を使った Web Worker のサポートの検出。(webworkers の w は小文字)
if(Modernizr.webworkers) {
//Web Worker がサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
オフライン Web アプリケーションの基本的な仕組みは、ユーザーがインターネットに接続してウェブアプリケーションを利用した際に、 HTML、CSS、JavaScript、画像等の ウェブアプリケーションに必要なファイルをユーザーのローカル環境に保存して、 次回からはオフラインでもウェブアプリケーションを利用できるようにするというもの。
アプリケーションキャッシュのサポートをチェックするには1番目の検出方法(グローバルオブジェクトに特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を使う。
ブラウザがアプリケーションキャッシュをサポートしていれば、window オブジェクトに applicationCache プロパティが存在し、サポートしていなければ applicationCache プロパティは未定義になる。
次の関数を使ってアプリケーションキャッシュのサポートをチェックできる。
function is_applicationCache_supported() {
return !!window.applicationCache; //applicationCache の C は大文字
}
以下は、Modernizr を使ったアプリケーションキャッシュのサポートの検出。(applicationcache の c は小文字)
if(Modernizr.applicationcache) {
//Web Worker がサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
Geolocation はどこにいるのかを検出する機能。
Geolocation のサポートをチェックするには1番目の検出方法(グローバルオブジェクトに特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を使う。
ブラウザが Geolocation をサポートしていれば、navigator オブジェクトに geolocation プロパティが存在し、サポートしていなければ geolocation プロパティは未定義になる。
次の関数を使って Geolocation のサポートをチェックできる。
function is_geolocation_supported() {
return !!navigator.geolocation;
}
以下は、Modernizr を使った Geolocation のサポートの検出。
if(Modernizr.geolocation) {
//Geolocation がサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
HTML5 ではフォームに使用できる input タイプが多数定義されている。
HTML5 の新しい input タイプがサポートされているかをチェックするには、4番目の検出方法(要素を作成しプロパティを特定の値に設定し、そのプロパティが設定した値を保持しているかをチェック)を使う。
次の関数を使って検出したい Input タイプのサポートをチェックできる。
function is_input_color_supported() {
var i = document.createElement("input");
i.setAttribute("type", "color");
return i.type !== "text";
}
13個の関数を書く代わりに、Modernizr を使って HTML5 で定義されたタイプのサポートを検出することができる。
作成される Modernizr.inputtypes という名前のハッシュには13個のキー(type 属性)と13個の論理値(true/false)が含まれる。
if(Modernizr.inputtypes.color) {
//input タイプ type="color" がサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
入力フィールドのプレースホルダを設定できる機能で、プレースホルダはそのフィールドが空で、そこにフォーカスがない場合に表示される。
プレースホルダのサポートをチェックするには、2番目の方法(要素を作成しその要素に特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を利用。
入力フィールドのプレースホルダをサポートしていれば、<input>要素として作成された DOM オブジェクトは placeholder プロパティを持っているが、サポートされていなければ placeholder プロパティを持っていない。
次の関数を使ってプレースホルダのサポートをチェックできる。
function is_placeholer_supported() {
var i = document.createElement("input");
return "placeholder" in i;
}
以下は、Modernizr を使ったプレースホルダのサポートの検出。
if(Modernizr.input.placeholder) {
//プレースホルダがサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
プレースホルダを表示させるには、以下のように記述する。placeholder 属性をサポートしていないブラウザは、単純にそれを無視するので無害で安全とのこと。必要であれば前述の機能検出を使って対応することもできる。
<form>
<input name="p" placeholder="プレースホルダ">
</form>
HTML5 は全てのフォームコントロールに autofocus 属性を導入している。
オートフォーカスのサポートをチェックするには、2番目の方法(要素を作成しその要素に特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を利用。
オートフォーカスをサポートしていれば、<input>要素として作成された DOM オブジェクトは autofocus プロパティを持っているが、サポートされていなければ autofocus プロパティを持っていない。
次の関数を使ってオートフォーカスのサポートをチェックできる。
function is_autofocus_supported() {
var i = document.createElement("input");
return "autofocus" in i;
}
以下は、Modernizr を使ったオートフォーカスのサポートの検出。
if(Modernizr.input.autofocus) {
//オートフォーカスがサポートされている場合の処理
}else{
//そうでない場合の処理
}
マイクロデータのサポートをチェックするには1番目の検出方法(グローバルオブジェクトに特定のプロパティがあるかどうかをチェック)を使う。
ブラウザがマイクロデータをサポートしていれば、document オブジェクトに getItems() メソッドが存在し、サポートしていなければ getItems() メソッドは未定義になる。
次の関数を使ってマイクロデータのサポートをチェックできる。
function is_microdata_supported() {
return !!document.getItems;
}
Modernizr はまだマイクロデータ API のチェックをサポートしていないみたい。